九州八十八ヶ所百八霊場

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九八巡拝記 宮崎編(4)|九州八十八ヶ所百八霊場
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九州八十八ヶ所百八霊場の僧侶が地元の札所を巡拝

2020年3月24日

九八巡拝記 宮崎編(4)

私は宮崎県えびの市にございます九州八十八ヶ所百八霊場第42番札所弘泉寺の副住職成松昇紀と申します。
 
去る3月5日(木)に九州八十八ヶ所百八霊場宮崎県内の宮崎市と日南市の4札所を参拝させていただきました。
前回は車にて巡らせていただきましたが、今回は趣向を変えて鉄道と自転車を用いた輪行という形式で参拝してみることにしました。
 
Wikipediaを参照しますと
“輪行(りんこう)とは、公共交通機関(鉄道~船~飛行機など)を使用して、自転車を運ぶことで。
サイクリストや自転車旅行者が、行程の一部を自走せず省略するために使う手段。公共交通機関を利用しない自走以外の移動(例えば自家用車積載)は輪行とは呼ばない。”
 
とあります
 
さて当日自坊を5時10分に出発してえびの飯野駅にロードバイクで向かいます。
 
5分ほどで到着して輪行の準備をします。
 
ロードバイクのタイヤを外したりして輪行袋に収納して準備完了。
始発を待ちます。
 
JR吉都線 えびの飯野 5時53分発に乗り都城駅で乗り換え宮崎駅を目指します。
都城駅にて乗り換えの際に特急に乗ることが出来たので当初予定してた時刻よりも速く宮崎駅に到着しました。
実際の行程は下の通りです。
乗換:1回
所要時間:2時間7分
きっぷ運賃:2,800円 / IC運賃:2,800円
05:53発 えびの飯野
↓ JR吉都線 都城行
↓ 1時間2分  
06:55着 都城
06:58発 都城
↓ JR日豊本線 特急きりしま102号 宮崎行
↓ 1時間2分  2,170円
↓ 自由席 630円 グリーン席 1,680円 
08:00着 宮崎
宮崎駅に到着して輪行袋からロードバイクを取り出し組み立てます
 
 
準備が終わり8時22分出発。
目指すは第37番札所 香泉寺です
約2㎞ほど市街地を走ります。
 
そして8時32分に37番香泉寺に到着しました
 
 
 
境内進み庫裏玄関へ
呼び鈴を鳴らします
 
こちらの札所は本堂へ直接入らず庫裏の玄関から本堂へと入ります
 
この日は香泉寺住職さまにお迎えいただき、先に納経帳を渡して御朱印をいただきます。
 
ご本尊の不動明王と大師に御法楽を捧げ道中の安全等を祈念して出発しました
 
 
次に目指すはこちら香泉寺から約4㎞ほどにあります38番長久寺です。
 
 
交通量の多い市街地を通るのは実は緊張します。
車が多いのはもちろんなのですが、それよりも右側を逆走する自転車、つまり正面からふらふらと自転車が向かってくるのです
しかもイヤホンをつけて走っていたりします
これは道交法違反ですし危険なので止めましょう
 
さて、無事に第38番長久寺へと到着しました
 
 
右奥の庫裏へと移動し納経所にて御朱印をいただきます
呼び鈴を鳴らして寺族関係者の方を待ちます
 
 
この日は幸いにもいらっしゃいましたが、時にはお留守の時もあります。
その時は青いケースの中にある御朱印を自分で押すことになります。
 
御朱印をいただいて本堂へと向かいます。
本堂は階段を上がった高台にございます。
本堂にて本尊の六観音と大師に御法楽を捧げます
こちらの本尊は聖観音をはじめとして6体の観音菩薩が本尊とされている珍しい札所でもあります
 
お勤めを終えて本堂を出ると眼前に見える景色は、住宅地が多いので市街地とは雰囲気が異なります
 
 
 
境内にある燈籠等歴史を感じさせてくれます
 
さてここから自転車での長距離の移動となります。
約55㎞ほどの道のりです
 
 
長久寺からは南宮崎駅を目指します。そして県道17号線を走り南宮崎駅前を突き当たって右へ進み、県道367号線に入り南へ進みます。
すると宮崎県総合運動公園へとたどり着きます。
運動公園内に入り木の花ドーム前からトロピカルブリッジを渡ります
 
すると奥の方に青島が見えてきます
 
海岸沿いを走行して青島を通過してしばらくして県道377号線へと入ります。
 
そこから道なりに進むとバイパスに出ます
右折してしばらく進むと左にひむか神話街道という道があります。
上り坂を登り切ると 堀切峠という見晴らしの良い場所に出ます
 
 
そこでしばらく太平洋を臨み景色を堪能します
 
そして近くの道の駅フェニックスを目指します
 
この日は天気も良く暖かかったので糖分補給を兼ねてソフトクリームを食べることにしました。
ちなみにちゃんと補給しないとハンガーノックという現象を起こして危険です。
 
 
休憩を終えて日南市へと向かいます。
 
日南海岸の道のりはほぼ平坦基調なのですごく走りやすい区間です。
とはいえ道幅が狭く且つトラックも多いので気が抜けません。
 
 
 
 
 
日南市油津に12時40分ぐらいに到着して39番潮満寺を目指します
 
入り組んだ路地の奥に有り迷いやすいですが山の方にある赤いお堂を目印に目指すと良いでしょう。
階段横の駐車場に車を停めて参拝するのですが、今回はロードバイクなので抱えて階段を上ります
 
庫裏の玄関の呼び鈴を鳴らして寺族関係者の方を待ちます。
対応下さった親奥様に納経帳を渡して本堂へお参りに行きます。
本堂にて本尊の波切不動明王と大師に御法楽を捧げます
 
 
本堂からは油津漁港の様子が見えます
私は普段霧島の山並みに見慣れているので海の景色はとても新鮮であります。
ずっとぼんやりと眺めていたいのですが後の行程もあるので出発します。
 
ちょうど13時頃でしたのでお昼をいただこうと思い、おすすめのお店を伺うと『びびんや』というお店を教えていただきました
 
しばらく南郷方面に向かっていると幟と看板が見えてきました。
 
週末になると満席になることもある人気店だそうです
 
 
 
私はかつおめしを注文しました
熱い出汁をかけて食べる丼で 非常に美味しかったです
 
さて食事を済ませて次の40番西明寺へ向かいます。
 
途中車専用トンネルがあり、歩行者と軽車両(自転車等)は脇道通らなければなりません。
 
 
 
 
少し荒れた道で聞くところによるとヘビも多いそうなので気をつけなければいけない道だそうです。
 
そして、14時第40番札所 西明寺へ到着。
 
こちらは参道を鉄道の線路が横切るという珍しい場所である意味危険な札所でもあります。
 
境内に入りますと、たまたまに表に出てこられていた住職さんと遭遇しました。
参拝の準備をしていたらいつの間にか怪しい自転車乗りスタイルを激写されてしまいました。
 
本堂にて御法楽。
勤行の後に招き猫おみくじを引かせていただきました
 
結果は内緒です。
 
当初の予定では5時すぎの南郷駅発で変える予定でしたが、車行けば油津駅の車両に間に合うとのことで急いで輪行の支度をして油津駅に車で送っていただきました。
 
油津駅に到着して切符を購入しようとしていたらもう間もなく出るとのことで、慌てて車両に乗りました。
南宮崎駅に到着。整理券を取り損ねていたので聞いてみると大丈夫でした。
改札口を一度出て切符の自販機にてえびの飯野までの切符を購入して再びホームへ。
特急に乗り都城駅へ向かいます。
都城駅に到着して吉都線に乗り換えです。
だんだんと日が暮れてきて小林駅を通過したころから霧島の山並みが夕陽に照らされて非常に美しかったです。
陽もすっかり暮れてわずかに西の空が赤くなっている頃にえびの飯野駅に到着しました。
 
駅舎にて自転車を組み立てて自坊へと帰りました。
 
 帰りの行程はこちらです
 乗換:2回
 所要時間:3時間48分
 きっぷ運賃:3,490円 / IC運賃:3,490円
 14:57発 油津
 ↓ JR日南線 南宮崎行
 ↓ 1時間17分  
 16:14着 南宮崎
 16:25発 南宮崎
 ↓ JR日豊本線 特急きりしま15号 鹿児島中央行
 ↓ 43分  
 ↓ 自由席 630円 指定席 1,160円 グリーン席 1,680円 
 17:08着 都城
 17:39発 都城
 ↓ JR吉都線 隼人行
 ↓ 1時間6分  2,860円
 18:45着 えびの飯野
 
初めての試みでしたが非常に充実した参拝となりました。
走行距離 65.71 km 走行時間3:23:17という自転車での参拝は車とは違いその道中の景色や道のりをほどよく体感できました。
是非皆様も自転車と電車等を用いた参拝を体験してみていただけたら幸いです。
合掌
 
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