(しょうほうざん・ぜんぷくじ)
西海の玄界灘を臨む今福には、永長元年(1096)松浦党の始祖松浦久の築城した梶谷城があった。松浦久はここを拠点として一字名衆五十八家と称せられるほどに播廷し、鎌倉から室町時代にかけて水軍を組織して活躍した。 また文禄の役には秀吉の先陣として出陣し、異国にその名を馳せたが、現在は城跡を僅かに残している。 今福の港から入った山裾に善福寺は営まれている。 鐘楼門を構えた境内は静まり、本堂と前庭の趣が調和している。奥の院に至るとば口には、聖徳太子、修行大師、不動明王の石像があり、裏山、愛宕山周辺を囲うように 四国八十八ケ所霊場の石仏が祀られて、藜樹の道は精気が辺りに満ち幽幻に沈む。途中の岩窟には石像子安観音が安置してあり、秘かに村人の信仰が息づいている。 寺史によると、創建は建武二年(1335)寺上村に建立された。正平十年(1355)松浦直十三世が鰐口を寄進した。 現在、寺宝として護持し、県の文化財に指定されている。 その後、天正二年(1574)松浦親が薬師堂を建立し、阿尊和尚が本尊を勧請して開眼法要を営んだ。この頃、既に松浦党の庇護をうけて海上安全の祈願を厳修していた。善福寺は、寄進の宝物から寺史を新たにする。天和元年(1681)寺上村から仏坂免に寺領を移し、元禄八年(1695)堂宇を再建して目芳法印が開山したという。
中興開基とみるべきであろう。寺史転変ありて、諸仏の修復を安政六年に行われた。明治四十二年に(1909)妙康法印によって現在地に移し法灯を継承している。本尊阿弥陀如来のほか、数体の諸尊を合祀した地方寺院の名刹である。
年中行事
1月 | 初大師 |
---|---|
2月 | 節分祭星祭大護摩供 |
3月 | 彼岸供養 |
4月 | 花まつり、正御影供 |
5・6・7月 | 大般若祈祷会 |
8月 | 施餓鬼会、盆供養 |
---|---|
9月 | 彼岸供養 |
10・11月 | 七五三 |
12月 | 開山忌報恩講 |
宗派 | 真言宗智山派 |
---|---|
本尊 | 阿弥陀如来像 |
TEL | 0956-74-0145 |
FAX | 0956-74-0256 |
住所 | 〒859-4527 長崎県松浦市今福町仏坂免910 |
アクセス |
・松浦鉄道鷹島口駅下車、徒歩5分 ・松浦鉄道今福駅下車、徒歩15分 ・今福バス停より徒歩4分 ・車の場合、国道204号線を伊万里方面へ向かい左手に今福港、今福バス停を過ぎ右折 ・境内に駐車場あり。 |