[ 御詠歌 ]
岱山の峰にかかりし法の雲 照らすは金剛慈悲の御光
金剛寺のある荒尾市は、熊本県の北西部に位置する。東に小岱山をいただき、西に不知火で名高い有明海に面し、彼方に雲仙岳を望む。県境の大牟田市とは共に炭鉱で栄えた。 昭和9年赤星精秀和尚が四国八十八ヶ所霊場遍路の後、真言宗寺院のなかった荒尾に、弘法大師御入定千百年御遠忌の記念事業として法雲院を開創した。法燈を継いだ善弘師が昭和35年入山して、法雲院を山号に改め、法雲山金剛寺と改称した。 参道には番号の刻まれた敷石がある。左側が四国八十八ヶ所霊場、右側が西国三十三ヶ所霊場の御砂が収められている。本堂前の観音立像の前には坂東秩父の観音霊場の御砂が収められ合せて百観音の結願となる。 弘法大師入唐1200年、御帰朝1200年それぞれの記念の石塔があり、中には中国赤岸鎮と青龍寺の石砂が収められている。殊に御帰朝記念の石塔には、中国で刻まれた黒御影石の金剛五鈷杵が蓮台の上に安置されている。